プロテオグリカンの持つ機能のうち、大きく取り上げられることが多いのが「保湿」です。どのくらい保湿力があるのかというと、ヒアルロン酸と同じくらい、というのがよくある説明です。なるほど、保湿力のある美容成分の代表格とも言えるヒアルロン酸と同等であれば、中々の優れものかもしれません。
……しかし1つ疑問が残ります。じゃあヒアルロン酸でいいのでは? わざわざ新しい成分を使う必要があるのでしょうか? というわけで、今回はプロテオグリカンとヒアルロン酸にどんな違いがあるのか、という実験をしてみたいと思います。
その1 ベタつき比較実験
まず、ヒアルロン酸とプロテオグリカンのもっとも分かりやすい違い、ベタつきについて比較実験をしてみたいと思います。感覚的には、ヒアルロン酸はかなりベタつきのある印象ですが、多分、他の成分と混ぜて化粧品の状態になっていないそのままのヒアルロン酸とプロテオグリカンを比較したことがある人というのはほとんどいないと思います。
今回使用するのは、プロテオグリカンとヒアルロン酸の1%水溶液です。数字をいわれてもピンとこないかもしれませんが、1%はかなり濃い目です。実際、ヒアルロン酸はかなりドロッとしています、プロテオグリカンはとろみがあるな、という感じ。
これを、プラスチックのボードに塗って、その上からスパンコールをばら撒きます。その後、縦にした時にスパンコールがどれだけボードに残っているかで、ベタつき具合を確かめてみようというわけです。
プラスチックのボードに枠線を引きまして、この枠の中にそれぞれの溶剤をたっぷりと塗ります。
その上に枠が隠れるぐらいスパンコールをどっさりとのせまして、後はザバッと縦にするという寸法です。比較対象として、プロテオグリカン、ヒアルロン酸の他に、比較対象として水でも試してみました。
まず、水です。当然ですが、ほとんど残っていません。それでもスパンコールは非常に軽いので、若干は張り付きました。
続いてプロテオグリカン。水に比べるとかなりくっついていますね。サラッとしているようで、水に比べるとそれなりにとろみがあります。
そしてヒアルロン酸です。プロテオグリカンと比較して、やっぱりヒアルロン酸の方がたくさんくっついています。スパンコールが残っている面積もやや広めですが、よく見ると数がかなり多い感じです。さて、この結果を踏まえた上で、次はいよいよ保湿実験をしたいと思います。
かかと保湿実験
かかと保湿実験です。同じ人の両足に、ヒアルロン酸とプロテオグリカンを塗りまして、その後の経過を見よう、という実験です。溶剤は先ほどと同じく1%水溶液を使用します。塗った後は素足で普通に生活して経過をみます。冬にガサガサになりやすいかかと。実際ここに使ったら両者に違いがでるのか、試してみたいと思います。
それぞれの溶剤をボウルにとって、かかとに塗ります。最低限歩くのに支障ない範囲で、贅沢にたっぷり塗っていきます。
スタート時
両足に溶剤を塗りました。左がヒアルロン酸、右がプロテグリカン。実はこの時点で少し違いがでています。よーく見ていただくと、左のヒアルロン酸の方が、少し白いカサカサが残っていますよね。両足ともたっぷりと溶剤を塗っているんですが、プロテオグリカンはベタつきが少ない分、細かいシワにもすぐに染みこんで行きましたが、ヒアルロン酸は表面を覆うような感じになっています。さあ、経過を見てみましょう。
30分後
30分したところで、もうかなり違いがでてきました。ヒアルロン酸は大分乾いて元の状態に近づきつつあります。一方プロテオグリカンはまだ潤ったまま。同等の保湿力なのに、なんでこんなに違いがでるのかというと、原因はベタつきです。かかとに塗った場合、ベタつきの多いヒアルロン酸は歩いているうちにどんどん取れていってしまうのです。一方、プロテオグリカンはしっとりとお肌に浸透するイメージ。さあ、もう30分進めて1時間後を見てみましょう。
1時間後
ヒアルロン酸はかなり乾いて、塗る前の状態に戻りつつあります。プロテオグリカンも、若干乾いてきましたが、まだまだ潤っています。さあ、最後は一気に3時間後です。どうなっているでしょうか? 大きい写真でどうぞ!
3時間後
3時間後の状況です。実は、1時間後と大差ありません。大差ないということに大きな意味があります。ヒアルロン酸は1時間の時点でほとんど乾いてしまってその後の変化がないという状況です。
逆に、プロテオグリカンは、3時間経っても、潤いを保ったままということです。すごい!
保湿できるかは保湿力だけで決まらない
というわけで、プロテオグリカンとヒアルロン酸に比較実験でした。かかとというのは、ヒアルロン酸には不利な場所だったかもしれません。ただ、塗ったの成分がそこにとどまって効果を発揮するかというのは、実際に使うことを考えればとても重要ですよね。プロテオグリカンのべたつかないけれど、実は保湿力たっぷり、という機能はとても「使える」のかもしれません。
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